シミ治療の選択肢は多数
現在、“シミ“に対する治療法は多く開発され、肌質、ご予算、ライフスタイルなどに合わせて、個々に合った治療法を選択することが可能になっています(当院でも複数の治療法の取り扱いがあります)。一方で、シミやあざの種類によっては効果的な治療法が限定されていることがあります。例えば女性のお悩みで多い顔面に生じるADMという色素斑は光治療や外用薬では改善しません。
レーザーという治療選択肢
レーザーはシミの元であるメラニンの選択性が高く、効率的に色素斑の治療を行うことができます。レーザーには様々な種類がありますが、その中でも現在入手できるレーザーの中で最もメラニンの選択性が高いのがルビーレーザーです。
当院採用のレーザーの特徴
当院もルビーレーザーを採用しています。しかし、このルビーレーザーは色素斑の治療法として非常に有効性が高い一方で、とても精密な機械であり、照射エネルギーが不安定になりやすく、販売会社による機械の特徴や 得られる効果が異なります。そこで、カライドスコープと言う特殊な構造を搭載することにより、“照射面が均一“、”ムラが少ない”、“安全性が高い“ルビーレーザーを当院では採用しております。高い選択性とピークパワーによってシミの原因であるメラニンを狙い撃ちするため、一部の疾患を除き、通常のシミであれば数少ない照射回数(1~2回)で効果を得ることができるため、治療や通院回数を減らしたい方にもおすすめの施術です。ただし、色素斑の改善には一定の経過を辿りますので(一時的に治療部位の色素斑の色が濃くなる現象が生じやすいです)、ご理解ご了承いただける方のみへの照射となります。
当院のレーザー治療について
- 当院は日本形成外科学会レーザー分野指導医在籍、レーザー安全講習受講済み施設です
- レーザー治療を行うのは医師のみになります
レーザー施術の痛みについて
レーザー照射時は輪ゴムでパチッと弾かれる痛みと表現される痛みを感じることがあります。痛みについては病変の範囲や深さ、個人差などがあり様々ですが、痛みに弱い方には麻酔もご用意しております。麻酔に関しては別途料金になりますが、貼るタイプと塗るタイプ、吸入して頂くタイプのものをご用意しております。ご希望の方はお気軽にご相談ください。
レーザー治療の経過
- レーザー治療後の典型的な経過としては照射部位に黒いかさぶたが形成され、7日~10日前後にかさぶたが取れて治療した色素斑も除去されます
- かさぶた除去直後の肌の色が少し赤くなる場合もありますが、傷が治るにつれて1か月程度を目安に落ち着くことがほとんどです
- かさぶたが取れた後(2∼4週間後が多いです)に治療部位が褐色や赤く変化する方がいます。この現象は炎症後色素沈着(PIH)といって一定数生じる可能性があります
- 炎症後色素沈着は刺激を与えないことで徐々に改善していきますが、長引く場合はレーザー治療の一定期間経過後に外用薬などを処方することもあります。当院では肌の状態や経過を判定するために10~14日経過したあたりでの再診をお願いしております。
- PIH予防および症状軽減のために照射後のホームケアが非常に大切です。当院では照射後2週間(少なくとも10日間)はお伝えする処置を必ず行って頂きますようお願いしております。
症例写真
ルビーレーザー治療
レーザー治療で起こり得るリスクと合併症
- 炎症(痛み、かゆみ、肌荒れなど)
- 熱傷(赤みや水疱形成、出血、紫斑、潰瘍など)
- 炎症後色素沈着
- 肥厚性瘢痕やケロイド
- 毛嚢炎(毛包に一致した膿を持った赤いぶつぶつで痛みや痒みは少ないことが多いです)
- アレルギー反応
- 剃毛時の擦り傷や切り傷
- 脱色素斑
- 肝斑へ照射時の肝斑増悪
- アートメイク部分へ照射時の変色
- 金製剤投与中照射による色素沈着
- テープかぶれなどの接触皮膚炎および自家感作性皮膚炎
- 皮膚冷却による凍傷
などが挙げられます。
医師が肌状態を確認しながら照射を行い、万が一生じた場合には適切な処置を行います。
レーザー治療をお受けになれない方・照射困難の可能性がある方
必ずご確認ください
安全にレーザー治療を受けて頂くため、当院では既往歴や肌の状態などによって施術をお受けできない、あるいは当日の施術を見送らせていただくことがあります。予めご了承ください。以下はカウンセリング時に確認と同意書を取らせて頂きますが、事前にご確認頂きますとスムーズになります。
- 以下の既往歴がある方
(日光過敏症、てんかん、重度の糖尿病、重度の高血圧症、 重度の貧血、出血性の疾患、重篤な酒さ、重度の皮膚疾患、重度の心疾患、重度のアレルギー、開放創や上皮化していない傷口、いぼ、日光角化症、皮膚がん など)
- ケロイド体質の方
- 妊娠中・妊娠の可能性のある方・授乳中の方
- ペースメーカーや除細動器を挿入されている方
- アートメイクをしている部分あるいは“金の糸“を入れられている部分
※色素沈着や色素変性を起こす可能性があるため、その部位への照射は行うことができません
- プロテーゼ、シリコンインプラント、金の糸、金属プレートを埋め込んでいる方
- 施術部位に充填剤を注入・埋入している方(施術している内容によって施術不可の時期が異なります。残っている間は施術不可になります)
※ヒアルロン酸を注入された場合は2年以上の経過が必要です。注入部位を避けての照射は可能です。
※鼻の充填施術(ヒアルロン酸を含む)を行ったことがある方は、鼻への施術はできません
- 金製剤(リウマチ治療薬であるシオゾールなど)を投与中の方
- 肝斑合併部位
※肝斑に照射すると色素沈着が悪化します。まず肝斑の治療を行うことで照射可能です
- 施行部位に強い日焼けをされている方
※熱傷の危険や色素沈着が強く出る可能性があります。日焼けが落ち着いた時期に照射可能です
- 施行部位に強い炎症(かぶれ、アトピーなど)や感染がある方
※色素沈着が強く出たり病変が悪化する可能性があります。炎症や感染が落ち着いた時期に照射可能です
- レチノイドなど光線過敏症を引き起こす薬剤の内服をされている方
- 照射予定部のピーリング施術やピーリング剤使用および予定がある方
※以下に当てはまる方はご申告ください。いずれも施術・使用時期後一定の期間をあけて頂くことで照射可能です。おおむねレーザー照射前は2~4週間、レーザー照射後は3∼6か月あけて頂く必要があります(炎症が強い場合でレーザー照射を行うとレーザー照射後の色素沈着が強く出る危険があります。照射後に刺激を加える場合も同様です)
※カウンセリング時に炎症状態も併せて評価させて頂きます
- 病院やエステでピーリング施術受けられた方または予定がある方
- 病院でニキビ治療薬を処方されている方(過酸化ベンゾイルやアダパレン配合薬を使用している方)
- ホームケアでピーリング剤を使用されている方(基礎化粧品を含みます。ゼオス キンやエンビロンといったビタミンA配合製剤を使用されている方もご申告ください)
- 照射部位に他の治療(美容治療も含む)をされている方
※治療内容によっては一定期間あける必要や照射不可の場合があります
- 照射部位に発毛がある方
※レーザーの効果の減弱や熱傷の危険があるため、照射部位の毛やうぶ毛の剃毛を行う必要があります。当院で剃毛を行う場合、別途料金がかかります。剃毛されていない状態によっては当日の施術をお断りします
- レーザー後のホームケアを行うことが難しい方およびレーザー施術2週間前後で再診できない方
- 施術後1か月以内に大事なイベントがある方(特に顔の施術の方)
- カウンセリングおよび施術当日にメイクを落とせない方
- その他診察により医師が照射困難と判断した場合
治療の流れ
お悩み別ページ“シミ”でご確認ください。
料金
その他、診察料(初診料・再診料)と必要な場合は外用薬料金などが別途 でかかります