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太田母斑、扁平母斑、外傷性色素沈着
保険診療

太田母斑、扁平母斑、外傷性色素沈着

〇太田母斑について

太田母斑は、皮膚や粘膜に現れる青黒い色素斑です。主に顔面、特に目の周囲や頬骨部に見られることが多く、通常は片側性に発生します。眼球結膜や口腔粘膜にも色素沈着が見られることがあります。

病態

太田母斑は、皮膚の真皮層にメラニン色素を含むメラノサイトが異常に分布している状態です。この色素が皮膚表面に青黒く透けて見えることで、特徴的なあざを形成します。

原因

明確な原因は解明されていませんが、遺伝的素因や環境要因が複合的に関与していると考えられています。メラノサイトの発達や移動の異常が関連している可能性があります。

遺伝性

太田母斑は一般的に遺伝性が強い疾患ではありません。しかし、家族内で類似の色素斑が見られる場合もまれに報告されています。

自然経過

太田母斑は出生時または幼少期に発生することが多く、加齢に伴い色が濃くなることがあります。自然に消失することはほとんどありません。そのため、美容的な理由や患者さんの希望に応じて治療が検討されることが一般的です。

治療法

太田母斑の治療法として、以下のような方法があります。

  • レーザー治療
    • 主にQスイッチレーザーやピコ秒レーザーが用いられます。これらのレーザーはメラニン色素に選択的に作用し、色素を破壊してあざを薄くします。 
    • メリット: 非侵襲的で効果が高く、あざが目立たなくなる可能性が高いです。
    • デメリット: 数回の治療が必要で、治療後に一時的な赤みや腫れが生じることがあります。また、色素脱失や色素沈着が起こるリスクがあります。
      紫外線を避ける必要があります。日焼けすると色素沈着が起こりやすくなるため、徹底的なUV対策が求められます。
  • 化粧品によるカバー
    • メイクアップ製品を使用してあざを隠す方法です。
    • メリット: 費用が比較的安く、すぐに結果が得られます。
    • デメリット: 根本的な治療ではないため、毎日の手間がかかります。

保険適応

太田母斑の治療は、保険が適用される場合があります。特に、美容目的ではなく、医学的な必要性が認められる場合に保険適応となることがあります。ただし、レーザー治療には保険制度上、回数制限があり、限度を超える場合は自費治療となります。

レーザー治療の流れ

  • 初診とカウンセリング
    • 医師が太田母斑の状態を診断し、適切なレーザーの種類や治療計画を決定します。
  • 麻酔
    • 痛みを軽減するために、麻酔クリームや冷却装置を使用することがあります。
  • レーザー照射
    • 1回の治療時間は数分から30分程度です。
    • 治療中は軽いチクチク感を感じることがありますが、ほとんどの場合耐えられる程度の痛みです。
  • アフターケア
    • 照射部位に赤みや腫れが出ることがありますが、数日から1週間程度で改善します。
    • 治療後は紫外線対策が重要で、日焼け止めを使用し、皮膚を保護します。
  • 治療の回数
    1回での効果
    太田母斑は1回の治療で薄くなることがありますが、完全に消えるには複数回の治療が必要です。目安
    5~10回程度の治療が一般的で、治療間隔は3か月程度空けます。

ご不明点やさらに詳しい説明が必要な場合は、お気軽にお尋ねください。

〇扁平母斑について

病態

扁平母斑は、皮膚に現れる色素性の病変の一種で、一般的には淡い茶色から濃い茶色までの平らな斑状の変化が特徴です。多くの場合、出生時または幼少期に発見され、皮膚の一部にメラニン色素が多く蓄積することで形成されます。形状は均一で、境界が比較的はっきりしていることが多いです。

原因

扁平母斑の原因は、主にメラノサイトという色素細胞の働きが局所的に増加するためとされています。ただし、正確なメカニズムはまだ完全には解明されていません。

遺伝性

扁平母斑は遺伝性を持つ場合がありますが、必ずしも遺伝するとは限りません。家族内で複数の人に見られるケースもありますが、単発で発生することも少なくありません。また、一部の遺伝性疾患(例:神経線維腫症1型)に関連して出現することがあります。

自然経過

扁平母斑は、基本的に年齢とともに増大することは少なく、形状や色も大きく変化しないことが多いです。健康に悪影響を及ぼすことは稀で、通常は良性の病変として経過観察されます。ただし、外観上の変化が急激に現れた場合や、他の症状を伴う場合は、医師の診察を受けることが推奨されます。

治療法

治療は必ずしも必要ではありませんが、美容的な観点から希望される場合があります。以下は主な治療法とそのメリット・デメリットです。

1.レーザー治療:上記太田母斑と同様の方法・合併症となります。

  • メリット: ピンポイントで色素を薄くする効果が期待できます。ダウンタイムが短く、手術の必要がありません。
  • デメリット: 完全に除去できない場合があり、再発の可能性があります。また、複数回の施術が必要な場合があります。
    色素脱失や色素沈着が起こるリスクがあります。治療後も紫外線を避ける必要があります。日焼けすると色素沈着が起こりやすくなるため、徹底的なUV対策が求められます。

2.外科的切除

  • メリット: 病変を完全に除去できる可能性が高いです。
  • デメリット: 傷跡が残ります。また、広範囲の場合には適応が難しいです。

保険適応

扁平母斑の診断治療は、健康保険が適用されます。ただし、レーザー治療には保険制度上、回数制限があり、限度を超える場合は自費治療となります。通常の制限回数では完全消退は困難なことがあります。

注意点

扁平母斑はほとんどの場合、良性の病変で心配ありませんが、見た目の変化や他の症状が伴う場合には早めの医師の診察を受けることをおすすめします。