皮膚がんというと、なんだか大きなできものやおどろおどろしい見た目を想像されるかもしれませんが、初めは1つのがん細胞から発生して徐々に増殖して大きくなっていきます。皮膚がんの初期は一見するとシミやほくろ、いぼや湿疹などと区別がつかないものも多くあります。代表的なものとしては日光角化症(平べったくて色素変化が生じるため、シミに似ています。実際シミと混在していることもあります)、悪性黒色腫(色が黒くほくろとの鑑別が必要です。日本人では手や足にできやすく、特に急激に大きくなってきた場合は注意が必要です。悪性度が高く転移も起こしやすいため早期に発見することがとても大切です)、基底細胞癌(初期はほくろやいぼに似ています)、有棘細胞癌(初期はいぼに似ています)、ボーエン病(赤い見た目をしているため湿疹に似ていることがあります)、ページェット病(乳房ページェットと乳房外ページェットがあります。赤みやただれ、時にかゆみがあるため一見すると湿疹のように見えます)などがあります(記載しているのは皮膚がんのごく一部です)。皮膚は外的刺激を受ける器官であり、紫外線暴露や慢性的な刺激が発生に関係していることも多いです。
ダーモスコピーというルーペを用いて皮膚の性状を観察したり、病変によっては一部あるいは全部を取って組織の状態を観察する病理検査を行います。病理検査にて診断がついた場合には広がりや転移の検査を行うこともあります。皮膚がんは他のがんと違って目に見えるため、早期発見が可能ながんです。少しでも気になるできものができた場合には悩まずに医療機関を受診して頂きたく思います。当院では皮膚腫瘍外科専門医として長年皮膚腫瘍検査や治療に従事して参りました経験をいかして、診断から治療を行えるよう手術室も完備しております。病変や体の状態、がんの種類や大きさ、また、ご希望によっては他病院への紹介等も可能ですので、気になることがありましたらまずはご相談頂ければと思います。