手に触れる物質の刺激やアレルギーで生じる皮膚炎で、原因は金属や洗剤やシャンプーの成分、植物、ゴム、食べ物など多岐にわたります。主婦や美容師、飲食業など水仕事を行う方、頻回に消毒を行うことが多い医療従事者などの職業の方に発症することも多く、生活をしている上で原因を除去することが難しいため、難治することもあります。症状は刺激が加わる部分に乾燥や粉をふくような症状として現れ、刺激が長期に及ぶと赤くなったり水疱ができ、さらに慢性化すると皮膚が厚くなったり亀裂が認められるようになります。アレルギー反応の場合は赤みや水疱の症状に加えてかゆみが強いことが多いです。また、アトピー性皮膚炎の方は皮膚のバリア機能が低下しやすいため、刺激性の手湿疹を起こしやすいです。
鑑別や合併症検索のため皮膚の一部を採取して顕微鏡で真菌の有無を確認する場合などがあります。原因検索のため、血液検査やパッチテストを行うこともあります。(当院では現在パッチテストは行っておりませんので予めご了承ください)。治療の基本は原因物質の除去や回避になりますが、原因除去が難しいことも少なくありません。皮膚を保護する目的で保湿剤を、湿疹病変にはステロイドの塗り薬を使用します。なお、手のひらの皮膚は厚いため強めのステロイドを使うことがあります。指定された部位以外への塗布は避けてください。また、症状によってはテープタイプのお薬やかゆみ止めの内服薬を検討することもあります。